改正個人情報保護法の2条の定義の「個人情報」とは、生存する”個人に関する情報”で特定の個人が識別できるものか、または生存する”個人に関する情報”で個人識別符号が含まれるものを指します。
改正法の条文
まず、改正個人情報保護法の条文を見てみましょう。下線を引いたところが改正された箇所です。
(定義)
第2条 この法律において「個人情報」とは、生存する個人に関する情報であって、次の各号のいずれかに該当するものをいう。
一 当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等(文書、図画若しくは電磁的記録(電磁的方式(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式をいう。次項第2号において同じ。)で作られる記録をいう。第18条第2項において同じ。)に記載され、若しくは記録され、又は音声、動作その他の方法を用いて表された一切の事項(個人識別符号を除く。)をいう。以下同じ。)により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)
二 個人識別符号が含まれるもの
個人情報の定義の拡充?それとも?
個人情報を定義した2条1項に上記のような条文の追加がありましたが、この改正は、「個人情報の定義を拡大、拡充するものではない」と説明されています。国会の審議で次のように答弁がありました。
○山口俊一国務大臣 今いろいろと御指摘をいただきましたように、ビッグデータ時代が到来をしまして、特に政府の成長戦略を進める上でも大変有益とされるパーソナルデータの利活用が求められる一方、これらのパーソナルデータが、現行法上、個人情報の保護対象であるか否か、これが大変曖昧になっておりまして、このために企業とか団体等々はその利活用をちゅうちょしておるというふうな状況になっておるものと認識をいたしております。
お尋ねの保護対象の件でありますが、これは、保護対象を明確化するというふうな観点から現行法において保護対象に含まれると考えられるもの、具体的には、身体の一部の特徴をデータ化したもの等につきましては政令で定めるというふうなことにするものでありまして、個人情報の定義を拡大、拡充するものではないというふうなことであります。
つまり、今回の改正は、個人情報の定義の拡大・拡充ではなく、個人情報の利活用を進める観点から保護対象を明確化したものというわけです。 続きを読む →