【便利帳】EUデータ保護規則とEUデータ保護指令の条文に関するサイトをまとめてみました:日本語仮訳情報も

EUデータ保護規則(GDPR)は、2018年5月25日に施行となるので、それまではEUデータ保護指令が適用されます。あちらこちらのサイトを見て、二つ法令を確認するのは大変なので、EUデータ保護規則などの法制枠組みとEUデータ保護指令などの現在の法制枠組みとに大まかに分けて、サイト情報をまとめてみました。

日本語でも法律用語を読むのは大変、まして英語で読むのはくたびれるという方に、参考になる日本語訳が掲載されているサイトも紹介します。
すべての法令を網羅しているわけではないので、逐次、整理して更新する予定です。

EUデータ保護規則などの条文

1-1.EUデータ保護規則(GDPR)条文
正確な理解のためには、EUの公式サイトの法令ページで原文を確認するのが一番です。規則の発効は2016年5月24日で、施行は2018年5月25日です。規則という法形式を採っているので、施行とともにEUの各構成国に直接適用されます。
上のリンクは、EUの構成国全部の言語で条文が掲載されているページです。英語だけでよいという方は以下のリンクでご確認ください。
英語のHTMLはこちら
英語のPDFはこちら

続きを読む →

忘れられる権利――Google v. Spain

今日は欧州司法裁判所(Court of Justice)が、2014年5月13日にグーグル検索に関して「忘れられる権利」を認めた裁定をまとめておこうと思います。
略してGoogle v. Spain 事件と呼びます。
裁定の英語版はこちらです。
長い裁定を読むのが大変!という方は、プレスリリースで概略を読んでみてはいかがでしょうか。

Google v. Spain事件とは?

Google v. Spain事件は、2010年にスペイン人の弁護士Mario Costeja González氏が、スペインの新聞社とGoogleスペイン社およびGoogle社に対する苦情を、スペインのデータ保護機関(AEPD:the Agencia Española de Protección de Datos)に申し立てた事件が発端です。González氏は、約10年前に社会保障費用の未払いがあり、不動産差押手続きに関連する強制競売について、新聞に名前が載りました。GoogleでGonzález氏の名前を検索すると、過去の2件の新聞記事へのリンクが表示されるようになっていました。

González氏は、まず新聞社に対して、関連するページを削除または変更し、彼に関するデータが表示されないようにすることを求めました。彼は、次にGoogle Spain またはGoogle Inc.に対して、彼に関するデータを削除または隠すかし、検索結果に彼のデータが含まれたり、新聞社へのリンクで表示されないようにすることを求めました。
AEDPは、新聞社の記事は、労働社会政策省の命令に基づいてなされた法的に正当なものであるとして、新聞社に対する苦情は認めませんでした。一方で、Google両社に対する苦情は認めました。

このため、Google Spain社とGoogle社が、スペインの裁判所にAEDPの判断の取消しを求めて訴訟を提起しました。スペインの裁判所は、欧州司法裁判所に、次の3つの問題についてEU個人データ保護指令の解釈を付託しました。理事会(European Commission)のファクトシート(Factsheet on the “Right to be Forgotten” ruling)から抜粋します。
続きを読む →