今回は、データ主体の8つの権利のうち、情報の通知を受ける権利を取り上げます。
情報の通知を受ける権利
情報の通知については、”EUデータ保護規則―管理者の義務:情報の通知(Information Notices)”で、管理者の義務としてまとめてあります。
情報の通知を受ける権利は、第3章の「データ主体の権利」の他の条文が、”The data subject shall have the right to ….”と始まるのに対し、”the controller shall ….” と管理者を主語にして書かれているためか、データ主体の権利の一つとして紹介していない文献もあるようです。
EU指令の条文も同様で、「権利」と書かれていたわけではありません。しかし、EUデータ保護規則では、情報の通知に関する第12条ないし第14条は、明確に第3章の「データ主体の権利」の中に位置づけられています。他の権利の行使を容易にするためには、情報の通知が不可欠という考え方もできるでしょう。そこで、ここでは権利の一つとして取り上げます。