ぼちぼち改正個人情報保護法を読む-施行日

改正個人情報保護法の全面施行が2017年5月30日に迫ってきました。
改正個人情報保護法と略称で呼びましたが、正式な法律名は「個人情報の保護に関する法律(平成15年5月30日法律第57号)を一部改正した「個人情報の保護に関する法律及び行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の一部を改正する法律」(平成27年9月9日法律第65号)といい、個人情報保護法の改正法と番号法の改正法が合体したものです。本サイトでは、この法律の個人情報の保護に関する法律に関する改正部分を、改正個人情報保護法ということにします。
なお、「特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」とは、マイナンバーに関する番号法のことです。

個人情報保護法の改正部分は、施行日がいくつかに分かれています。
施行日は、個人情報保護法に関する限り、次のように書かれています(番号法の施行日は除きました)。

附則 (平成27年9月9日法律第65号) 抄
(施行期日)
第1条 この法律は、公布の日から起算して2年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
1 附則第7条第2項、第10条及び第12条の規定 公布の日
2 第1条及び第4条並びに附則第5条、第6条、第7条第1項及び第3項、第8条、第9条、第13条、第22条、第25条から第27条まで、第30条、第32条、第34条並びに第37条の規定 平成28年1月1日
4 次条の規定 公布の日から起算して1年6月を超えない範囲内において政令で定める日

 

とにかく法律の条文だけでは施行期日は分からず、その後の政令を待たねばなりません。いやはや分かりにくいのが難点です。新しい日付から順番に施行された部分を特定していきます。 続きを読む →

ぼちぼち改正個人情報保護法を読む-1条(目的)

2005年に成立した個人情報保護法の改正法の全面施行がいよいよあと1か月余と迫ってきました。5月30日です。
改正で小規模事業者も個人情報取扱事業者となるため、中小企業では対応が間に合わっていないという報道も聞こえてきています。個人情報保護法は理解するまでに一定の時間がかかりますが、条文を丹念に読んていけば理解が早まります。1条ずつぼちぼちとPOSTすることにしました。

まず、第1条です。下線を引いたところが2003年5月に成立した当初の法律から改正された部分です。この改正はすでに2016年1月1日から施行されています。これは、改正された条文が条文ごとに施行日時が異なっていることによります。

 (目的)
第1条 この法律は、高度情報通信社会の進展に伴い個人情報の利用が著しく拡大していることに鑑み、個人情報の適正な取扱いに関し、基本理念及び政府による基本方針の作成その他の個人情報の保護に関する施策の基本となる事項を定め、国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、個人情報を取り扱う事業者の遵守すべき義務等を定めることにより、個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護す ることを目的とする。

 

改正部分は有用性の例示

以前は、シンプルに「個人情報の有用性に配慮しつつ」とだけ書かれていたのですが、長い一文が加わりました。「個人情報の適正かつ効果的な活用が新たな産業の創出並びに活力ある経済社会及び豊かな国民生活の実現に資するものであることその他の」とは、個人情報の有用性の例示です。 続きを読む →