欧州評議会(Council of Europe)とは

欧州評議会とは

欧州評議会(Council of Europe)とは、1949年に人権、民主主義、法の支配の分野で国際社会の基準策定を主導するヨーロッパの国際機関として、フランスのストラスブールに設立されました。設立時の加盟国(原加盟国)は、フランス、イタリア、英国、ベルギー、オランダ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、アイルランド、ルクセンブルグの10か国です。
2016年9月4日現在で加盟国は47か国に及んでいます。
また、欧州評議会には、ヨーロッパの国以外でも、投票権はありませんが、発言権をもって閣僚委員会以外の会合に参加することが可能なオブザーバー国があります。現在、日本を含む5か国がオブザーバー国となっています。

<加盟国一覧>

加盟年 加盟国
1949 フランス、イタリア、英国、ベルギー、オランダ、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、アイルランド、ルクセンブルグ(原加盟国)
ギリシャ
1950 アイスランド
1951 ドイツ
1956 オーストリア
1961 キプロス
1963 スイス
1965 マルタ
1976 ポルトガル
1977 スペイン
1978 リヒテンシュタイン
1988 サンマリノ
1989 フィンランド
1990 ハンガリー
1991 ポーランド
1992 ブルガリア
1993 エストニア、リトアニア、スロベニア、チェコ、スロバキア、ルーマニア
1994 アンドラ
1995 ラトビア、モルドバ、アルバニア、ウクライナ、マケドニア
1996 ロシア、クロアチア
1999 ジョージア
2001 アルメニア、アゼルバイジャン
2002 ボスニア・ヘルチェゴニナ
2003 セルビア
2004 モナコ
2007 モンテネグロ

<オブザーバー国一覧>

1970 バチカン
1995 アメリカ合衆国
1996 カナダ、日本
1999 メキシコ

活動

欧州評議会の活動は、各種の条約の策定、専門家会合の開催、国際問題などに関する勧告・決議の採択、決議事項のモニタリングなどです。

 

機関

事務総長と事務次長(Secretary General, Deputy Secretary General)
事務総長は、議員会議によって選出される欧州評議会の長です。戦略的な経営、評議会の作業計画、予算に責任を持ちます。任期は5年です。現在の事務総長は、元ノルウェーの首相・外相を務めたThorbjørn Jagland氏です。再選され、2014年から2期目に入っています。
事務次長は、同じく議員会議によって選出され、事務総長を補佐します。任期は5年です。現在の事務次長は、Battaini-Dragoni氏です。大学を卒業後まもなく欧州評議会に働きはじめ、事務次長の前は、General of Programmes でDirectorを務めていました。再選で2015年から2期目の任期を務めています。

 

閣僚委員会(Committee of Ministers):意思決定機関
加盟国外相が参加する意思決定機関で、条約・協定、勧告の採択と予算・活動計画の承認などをします。
閣僚委員会は年1回の会合であるため、加盟国常駐大使の参加する閣僚代理会合が毎週行われています。
閣僚委員会の下部組織として、運営委員会や専門家会合があります。

 

議員会議(Parliamentary Assembly):諮問・モニタリング会議
加盟国の国会議員で構成されていますが、立法権はなく諮問・モニタリングを行っています。
他に事務総長、人権コミッショナー、ヨーロッパ人権裁判所判事の選出もします。
324名の議員は人口、GNP比で議席が配分されています。
年4回の本会議、年3回の常任委員会がありますが、通常は次の9つの委員会、さらに特定の問題についての小委員会で活動しています。

  • Political Affairs and Democracy
  • Legal Affairs and Human Rights
  • Social Affairs, Health and Sustainable Development
  • Migration, Refugees and Displaced Persons
  • Culture, Science, Education and Media
  • Equality and Non-Discrimination
  • Monitoring Committee
  • Rules of Procedure, Immunities and Institutional Affairs
  • the Election of Judges to the European Court of Human Rights

 

欧州地方自治体会議(CLRAE: Congress of Local and Regional Authorities of Europe)
地方レベルの民主化を強化するために設置されている閣僚委員会および議員会議の諮問機関です。
加盟国の地方代表議員636名で構成されています。

 

欧州人権裁判所(European Court of Human Rights)
1953年に発効した欧州人権条約に基づき、1959年に創設されました。
1998年から常設の機関となり、人権救済にあたっています。
欧州評議会の最も有名な機関かもしれません。ところが、欧州人権裁判所が欧州評議会の下にあることを知らない人が多いためか、欧州人権裁判所のパンフレットには、EU司法裁判所、国際司法裁判所と混同しないようにという注意書きが書いてあります。
判事は、各国の提案する3名の候補者リストから議員会議が選任をします。任期は9年で再任はありません。
5つのセクションに分かれ、PresidentとVice Presidentのほか、10人の判事で構成されています。
大法廷(Grand Chamber)は、17人の範囲で構成します。

 

人権コミッショナー(Commissioner for Human Rights)
人権の問題について、独立して言及し、人々の関心を引き寄せる役割を担っています。
議員会議によって選出されます。現在のコミッショナーは、ラトビア国籍を持つNils Muižnieks氏で、アメリカで教育を受けUCバークレーで政治学の博士号を持ち、20年来人権の分野で活動をしてきています。

 

国際NGO会議(Conference for International NGOs)
約400の国際NGOの会議です。政治家と公衆をつなぎ、欧州評議会に市民社会の声を届ける役割を担っています。

 

2016年9月6日更新:誤植を訂正

弁護士(第二東京弁護士会・NY) Gerogetown University Law Center LLM修了 早稲田大学法学部卒業 情報法の分野に特に関心を寄せています。このサイトでは、情報法に関する情報を発信しています。5月末までは改正された個人情報保護法の記事を集中してUPする予定です。 私の詳しいプロフィールは、サイドバーのLinkedInをクリックしてご覧ください。